役所広司は鶴橋康夫監督との出会いをきっかけに、演技の幅を広げ、現代劇の演技派俳優へと成長した。彼のキャリアにおける重要な転機を振り返る。
1990年に放送されたTVドラマ「愛の世界」は、文化庁芸術作品賞やATP賞など数々の賞を受賞し、役所の演技が高く評価された。
この作品で鶴橋監督は役所の魅力を認識し、続けて「朝日のあたる家」(1991年)を制作した。
このドラマは、高層マンションに住む家族が、当選の手違いで地下の部屋に住むことになり、そこから生じる人間関係の変化と精神的な葛藤を描いている。
役所は普通の男が壊れていく様を見事に演じ、この作品でも高い評価を得た。
その後も「雀色時」(1992年)など、鶴橋監督とのコンビ作で役所の演技は際立ち、特に彼が演じた猟奇的犯罪者の役は注目を集め、上海ドラマ大賞で最優秀主演男優賞を受賞する。
このように、役所広司は鶴橋監督とのコラボレーションを通じて、単なる娯楽時代劇のスターから、繊細な人間の心を描く現代劇の演技派俳優へと成長していった。
90年代前半には、意欲的に単発ドラマにも出演し、様々なキャラクターを演じることで演技の幅を広げていく。
特に「サハリンの薔薇」や「冬の魔術師」など、市川森一脚本の作品での役所の演技は注目を集め、彼の俳優としての地位を確立する要因となった。
さらに、映画にも復帰し、「極東黒社会」や「紅蓮華」などで活躍し、映画俳優としての快進撃が始まる。
このように、鶴橋康夫監督との出会いは、役所広司のキャリアにおいて非常に重要な役割を果たした。
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