企業価値担保権は新しい資金調達手段として注目されるが、認知度は約30%にとどまる。多くの企業が情報不足を指摘し、活用意向は二分している。
この制度は、事業者の将来キャッシュフローや無形資産を担保にすることで、特に有形資産が少ないスタートアップや、経営者保証によって事業承継や大胆な事業展開をためらっている企業にとって、資金調達を容易にし、企業の活性化を図ることが期待されている。
また、金融機関による経営改善や資金繰り支援の動きも加速する可能性がある。
企業価値担保権を創設する「事業性融資の推進等に関する法律」は2024年6月に公布され、施行は2年半以内に予定されている。
帝国データバンクが実施した調査によると、企業価値担保権の認知度は約30%にとどまり、特に「知らない」と答えた企業は56.5%に上った。
調査では、制度内容をよく知っている企業はわずか0.5%であり、名前を聞いたことがあるが内容を知らない企業も22.4%と低い。
企業からは「初めて知ったので調べたい」といった前向きな声がある一方で、情報不足を指摘する声も多く聞かれた。
企業価値担保権の活用意向については、26.7%が「活用したいと思う」または「今後検討したい」と回答したが、同じく26.7%が「活用したいと思わない」とし、意見は二分している。
さらに、46.6%が「分からない」と答え、現時点での判断が難しい様子がうかがえる。
金融機関の審査能力や知見不足に対する懸念も示されており、企業価値担保権の導入には情報提供と理解促進が重要であることが浮き彫りとなっている。
参考リンクhttps://news.yahoo.co.jp/articles/60dc51336ceafa9ba55fb4f0e10a73d99cc84709