ESAが発表した長期宇宙探査戦略「Explore 2040」は、月探査と火星探査を目指し、具体的な計画が進行中です。月着陸計画「Argonaut」や火星向けの「LightShip」が注目されています。
この発表は、イタリア・ミラノで開催された国際宇宙会議「International Astronautical Congress(IAC) 2024」において、ESAの有人探査・ロボット探査担当ディレクターであるDaniel Neuenschwander氏が行いました。
彼は、「我々は加盟国と共に『Explore 2040』というプロセスを進めている」と述べ、ヨーロッパ人を月周回及び月着陸ミッションに導くことが目標であり、その先には人類を火星に送る計画があると強調しました。
月探査に関しては、ESAはNASAの「Orion」宇宙船のサービスモジュールを提供し、月着陸計画「Argonaut」をAirbusと共同で開発中です。
この計画では、科学観測機器などのペイロードを月に複数回届けることを目指し、最大2100kgの荷物を搭載でき、100m以内の精度で着陸する能力を持っています。
また、月を周回する5機の衛星からなる「Moonlight」コンステレーションを活用し、高速通信とデータ転送を実現することで、正確で自律的な着陸が可能となります。
火星探査に向けては、ESAは「LightShip」と呼ばれる電気推進のタグボート計画を進めており、人間とペイロードを火星まで運ぶことを想定しています。
このLightShipは、火星周辺での通信とナビゲーション機能を提供し、火星と地球間の通信を中継する役割も果たします。
「Explore 2040」の詳細はまだ確定しておらず、2028年に開催される理事会で月探査や試料採集、有人月周回拠点「Gateway」からの貨物船の帰還などが検討される予定です。
参考リンクhttps://news.yahoo.co.jp/articles/6630ee98f7d4e03f38419b7f18b5f4567045b7da