2024年3月期の中小企業向け貸出が過去最高の374兆円に達し、全体の貸出金も増加。ただし、地方公共団体向けは減少し、企業の資金負担が増す中で銀行の支援が求められています。
全体の貸出金残高は551兆6,874億円で、こちらも2010年以降で最高の水準です。
しかし、地方公共団体向けの貸出は39兆1,401億円と、前年比で0.6%減少し、2010年以降初めて前年を下回る結果となりました。
これは、企業の資金需要が高まる中で、過剰債務を抱える企業が多く、金融機関が企業支援と事業性評価の精度を問われていることを示しています。
銀行貸出の増加は、大手行で前年比5.0%、地方銀行で3.3%、第二地銀で2.5%と、全業態で見られましたが、中小企業向け貸出の比率は67.81%にとどまり、過去最低水準です。
地公体向け貸出は7.09%と前年の7.43%を下回り、2年ぶりの減少です。
地公体向けは貸倒リスクが低いものの、低金利が収益確保の妨げとなり、銀行が貸出を控える傾向が見受けられます。
2024年8月には企業倒産が29カ月ぶりに前年同月を下回りましたが、年間の倒産件数は11年ぶりに1万件台に乗る可能性があります。
円安、物価高、人件費の上昇、貸出金利の引き上げなどが企業の資金負担を増大させ、特に過剰債務を抱える企業にとって新たな資金調達が難しい状況です。
このような背景から、銀行には経営再建や事業再生、廃業支援などの役割が求められています。
今回の調査は、りそな銀行と沖縄銀行を除く106行の決算を基に行われました。
参考リンクhttps://news.yahoo.co.jp/articles/e244a3211d2a85e10db3bb4446e60dae43372add