TSMCは第3四半期に最高業績を達成したが、貿易環境の変化により成長の持続が難しいと創業者が警告。特に米中競争が影響し、中国企業との取引が困難になっている。
要約すると台湾のTSMC(台湾セミコンダクター製造)は、2023年第3四半期に史上最高の業績を達成したが、創業者のモリス・チャン氏は、変化する貿易環境に対する懸念を表明している。
彼は、特に最先端半導体の自由貿易が「死んだ」と指摘し、今後の成長の持続が大きな課題であると述べた。
TSMCは、AIや量子コンピューティングなどの先端技術分野で不可欠な半導体を生産しており、7ナノメートル以下のプロセスで90%以上の市場シェアを持つ。
しかし、米中技術競争の影響で、自由貿易主義が後退し、保護貿易主義が浮上する中で、TSMCは不安定な状況に置かれている。
特に、中国企業との取引が難しくなっており、2019年にはTSMCの収益の20%が中国からのものであったが、現在は10%以上にとどまっている。
最近、TSMCはファーウェイのAIチップセットに自社の半導体が使用されていることが発覚し、ある中国の半導体設計企業への製品出荷を中止した。
このため、同設計企業はファーウェイとの関係を否定する声明を発表した。
米国は、技術を一部でも使用した半導体企業がファーウェイに製品を販売するには許可が必要であると規定しており、これによりTSMCのビジネスにも影響が及んでいる。
チャン氏は、記録的な業績を喜ぶ一方で、厳しい試練が待ち受けていることを強調し、今後の展望について警鐘を鳴らした。
参考リンクhttps://news.yahoo.co.jp/articles/3c6926f3abfc2f24778dd3a57cd35fcb8c171c27