東北電力が女川原発2号機を再稼働し、火力燃料費を年間約600億円削減する見込み。電力の安定供給や脱炭素化への貢献も期待され、経営改善に寄与する可能性がある。
この再稼働により、同社は2025年度までに液化天然ガス（LNG）や石炭といった火力発電の燃料費を年間約600億円削減できる見込みです。
原発の再稼働は、燃料費の負担軽減だけでなく、電力の安定供給や脱炭素化への貢献も期待されており、経営改善に寄与する要素となりそうです。
再稼働に向けては、防潮堤の工事や防火帯の設置など、様々な安全対策が実施され、テロ行為を想定した特定重大事故等対処施設も設置中です。
これらの対策にかかる費用は合計7100億円に達し、再稼働後は月間30億円程度の減価償却費が計上される予定です。
一方で、再稼働による火力の燃料削減効果は月70億円と見込まれており、順調に運転が進めば投資費用を回収しつつ、収益改善が期待できる状況です。
また、再稼働による温室効果ガスの排出削減は年間300万トンに達し、これは一般家庭約110万世帯分に相当します。
電力各社は原発の再稼働が遅れており、火力発電に依存しているため、燃料市況の変動に業績が影響されやすい状況です。
関西電力は運転可能な原発7基をすべて再稼働させており、利益水準が他の電力大手よりも高く、電気料金も安く設定されています。
大和証券の西川周作シニアアナリストは、再稼働の影響が大きいと指摘しています。
ただし、東北電力は23年6月に一般家庭の電気料金を月150円程度軽減しており、再稼働に伴うさらなる値下げは予定していないとのことです。
25年3月期の業績予想も収益改善分を織り込んでおり、再稼働によって今年度の収益計画達成の確度が高まったとされています。
燃料市況が想定よりも低ければ、業績が上振れする余地もあると考えられています。
参考リンクhttps://news.yahoo.co.jp/articles/86820776a4e45c1b6fcac37e2e33e669f5511409