第2次トランプ政権がFCPAの執行方針を転換。ボンディ・メモにより、カルテルやTCO関連事件が優先され、FCPAの執行が一時停止される可能性がある。日本企業は注意が必要。
要約すると第2次トランプ政権が発足した2025年1月20日以来、米国の海外腐敗行為防止法（FCPA）の執行方針に重要な変化が見られています。
新たに任命された司法長官パム・ボンディは、就任当日に発表したメモランダム（ボンディ・メモ）で、これまでのFCPAの厳格な捜査方針を批判し、特にカルテルや国際犯罪組織（TCO）に関連する贈収賄事件を優先的に捜査する方針を示しました。
これに伴い、FCPAの執行を一時的に停止する大統領令も発令され、今後180日間の見直し期間中にFCPAの適用基準が見直されることが決定しました。
この大統領令は、過去のFCPA執行が米国の経済競争力を損なっているとの見解に基づいています。
特に、米国企業が外国での商活動を行う際に過剰なFCPAの適用が障壁となっていることを指摘し、米国の国家安全保障と経済力の強化を目指すとしています。
ボンディ・メモと大統領令は、FCPAの法的要件や罰則を変更するものではないため、過去の違反行為に対する免責を与えるものではありません。
しかし、これらの動きは、日本企業にとっても影響を与える可能性があります。
特に、FCPA違反の摘発が減少する可能性がある一方で、米国外の企業に対するFCPAの適用が強化されるリスクも残ります。
したがって、日本企業は、FCPAへの対応を緩めるのではなく、引き続き贈賄防止に関するコンプライアンスを強化する必要があります。
参考リンクhttps://news.yahoo.co.jp/articles/e8d73669e3cd0b0795a3e3c3804ec1504828b271