ダイモンの月面探査車YAOKIが、月面からの撮影に成功。アテナからの電力供給ができず横転したものの、内部データ送信や車輪の回転に成功し、今後100台を月面に送る計画も発表。
YAOKIは米国のIntuitive Machinesが開発した月着陸機「Nova-C」(通称:アテナ)に搭載され、月の南極点から約160km離れたエリアを目指していました。
アテナは3月7日に月面への軟着陸に成功しましたが、姿勢が予定通りでないため太陽光発電ができず、バッテリー駆動時間が限られた状態にありました。
これを受けて、Intuitive Machinesは各ペイロードに短期間でミッションを実行するよう指示しました。
YAOKIは7日の午前2時17分51秒に運用を開始しましたが、アテナからの電力供給ができず、デプロイヤーから分離することができませんでした。
それでも、YAOKIは格納ケース内で車輪を回転させることに成功し、写真撮影とデータ送信を完了しました。
受信した写真データはリアルタイムに近い速度で送信され、パケットロスもなくクリアなデータが得られました。
YAOKIは内部温度や重心データも正常に送信し、最終コマンドを送信した時点でバッテリーは4時間以上の駆動が可能でした。
ダイモンの代表、中島紳一郎氏は「YAOKIは月のクレーターの中で倒れた状態でも機能し、“七転びYAOKI”を実現できたことを誇りに思う」と述べています。
YAOKIは重量約498gの小型ロボットで、低コストで製造できるため、民間企業の宇宙進出やアルテミス計画において活躍の機会が増えると期待されています。
ダイモンは今後100台のYAOKIを月面に送る計画を立てています。
参考リンクhttps://news.yahoo.co.jp/articles/940a33d62202729ccc54a26f02c9fe89c9b3aad8