フィデリティが暗号資産に投資可能な新しいIRAを提供開始し、年金制度における暗号資産の導入が進んでいます。
このサービスは、顧客がビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ライトコイン(LTC)などの暗号資産に直接投資できる機会を提供します。
IRAは米国で一般的な退職後資金の積立制度であり、一定額までの掛金に対して所得控除などの税制優遇が受けられる任意加入型の年金制度です。
フィデリティ・クリプトIRAでは、3種類の口座が用意されています。
まず、非課税で運用益を得る可能性のある「フィデリティ・クリプト・ロスIRA」、次に所得控除による節税効果を得ながら運用益が課税繰延となる「フィデリティ・クリプト・トラディショナルIRA」、最後に他の退職口座から資金を移し、課税を繰り延べつつ暗号資産に投資できる「フィデリティ・クリプト・ロールオーバーIRA」です。
口座の開設や維持に手数料はかからず、取引執行価格に対して1%のスプレッドが課されます。
また、フィデリティは高いセキュリティを提供し、大半の暗号資産はインターネットに接続されていないコールドウォレットに保管されています。
最近、暗号資産を年金や退職金の一部として導入する動きが広がっており、英国の年金サービス企業カートライトがビットコインを投資ポートフォリオに追加したり、米ニュージャージー州の市長が年金基金の一部をビットコイン現物ETFに投資する方針を表明したりしています。
しかし、ブラジルの国家通貨評議会は、過度なリスクを理由に一部の年金基金による暗号資産への投資を禁止する決議を承認しています。
このように、暗号資産への投資は賛否が分かれる状況にありますが、フィデリティの新たなIRAは多くの投資家にとって興味深い選択肢となるでしょう。
参考リンクhttps://news.yahoo.co.jp/articles/19d28f9ef88567ecaecb67f7ba26a00b41c698ce