東証と富士通が株式売買システムを「arrowhead4.0」に刷新。新機能追加で取引利便性向上、信頼性とレジリエンスも強化。
この新システムは、2010年から稼働していた「arrowhead」の第4世代にあたります。
システム更新の目的は、取引の利便性を高めることにあり、具体的にはいくつかの新機能が導入されています。
まず、取引終了時に終値を決定する「クロージング・オークション」機能が追加され、これにより取引の透明性が向上しました。
また、注文ごとに相場情報を提供する新サービスや、機関投資家が一括で注文を取り消す機能も実装され、投資家の取引機会が拡大しました。
さらに、取引終了時刻が5時00分から15時30分に30分延長され、より多くの取引機会が提供されることになりました。
システムのレジリエンスを強化するため、メモリー上に配置した取引情報を三重化し、複数のサーバーで並行動作させる仕組みが採用され、障害時の迅速なサーバー切り替えやデータ保全性が確保されています。
富士通は、高信頼・高性能サーバーや最新のミドルウェアを用いて、システムの信頼性と処理性能を向上させました。
具体的には、超高速インメモリーデータ管理ソフトウェア「Fujitsu Software Primesoft Server」を活用し、マイクロ秒レベルのデータアクセスを実現しました。
また、システムの正常性を可視化する監視画面も構築されています。
さらに、462台のx86サーバー「PRIMERGY RX2540 M6」を導入し、システム性能と耐性を強化しました。
これにより、市場運営の信頼性が向上し、柔軟な市場データの分析が可能になりました。
東証と富士通は、変化する市場環境や多様化する投資家ニーズに応じて、東京市場の国際競争力と回復力を強化し、安全で安心な市場取引を実現することを目指しています。
参考リンクhttps://news.yahoo.co.jp/articles/c46ef1631c680819973686dc1f9ffc2a860d5bf1