名古屋大の大学院生チームが、起立性調節障害(OD)の症状を測定する装置を開発。数値化により患者の悩みをサポートし、医療機器としての販売を目指す。
この装置は、特に思春期の子どもたちに多く見られるODの症状を数値化し、可視化することを目的としています。
チームのリーダーである角田健輔さん(26)は、元OD患者としての自身の経験を活かし、同様の症状に悩む子どもたちを支援したいと考えています。
ODは日本小児心身医学会によると、中学生の約10%が軽症を含めて経験しているとされています。
角田さんも小学生の頃から朝起きるのが難しく、突然気を失うこともあったといいます。
チームは2021年に結成され、電子工学や情報学、医学専攻の学生4人と教員で活動を行っています。
ヒアリングを通じて、OD患者やその保護者が症状を言語化できない悩みや、体調不良で学校を休む際に「サボり」と誤解される実態が明らかになりました。
そこで、チームは症状を数値化できる装置「ODチェッカー」を考案しました。
この装置は、つえ型で、立ち上がった際の心拍数の変化を測定し、ODの重症度を診断基準に照らして評価します。
2月下旬には学生向けビジネスコンテストで文部科学大臣賞を受賞し、今後は医療機器としての販売を目指していますが、承認には臨床研究が必要です。
また、外部企業との協力を通じて試作品の完成度を高める予定です。
昨年のクラウドファンディングでは当事者からの反響が大きく、角田さんは「この病気の理解を得ることが重要」と意気込んでいます。
参考リンクhttps://news.yahoo.co.jp/articles/d0abf6a94119692ca760e6c7a500b0086df2b586