NTTとNECが3000km以上の長距離光伝送を可能にする新技術を発表。波長変換で消費電力を90%削減し、遅延も99%減少。
この技術は、「IOWNオールフォトニクス・ネットワーク(APN)」の適用エリアを拡大し、大容量かつ低遅延のエンドツーエンド光パスを実現することを目指しています。
具体的には、工場のデジタルトランスフォーメーション(DX)、インタラクティブなライブ映像配信、さらには遠隔手術などの新たなサービスを支える基盤となることが期待されています。
これを実現するためには、異なる波長を持つ光パスをつなげる必要があります。
NTTは、光ノードシステム「Photonic Exchange」を開発し、長距離光パスを効率的に提供するために波長アダプター機能と伝送性能の両立を追求してきました。
NECは「光-電気アナログ-光(OAO)型波長変換技術」を開発し、光信号を電気デジタル信号に変換せずに波長を変更できることから、デジタル信号処理による遅延や揺らぎを排除することが可能です。
今回、Photonic ExchangeにOAO型波長変換技術を組み合わせ、波長アダプター機能の実験を行いました。
実験では、OAO型波長変換器のプロトタイプを用いて、周回伝送実験を実施し、100Gbps/λの光信号品質を測定しました。
その結果、4回の波長変換を行っても3000km以上の伝送性能を維持できることが確認され、これにより本州を縦断する距離に相当します。
さらに、従来の波長変換方式に比べて消費電力を約90%削減し、遅延も約99%減少させることができました。
この革新的な技術は、将来的な通信インフラの進化に大きな影響を与えると考えられています。
参考リンクhttps://news.yahoo.co.jp/articles/6c80f16cf375d26fb5febf63492f6560434c1ee1