日本の冤罪問題は、刑事司法の構造的な問題から生じており、法意識の欠如が背景にあります。特に「人質司法」が冤罪を助長し、無罪判決を出すことに消極的な裁判官が多いのが実情です。
元エリート判事で法学の権威、瀬木比呂志氏は新著『現代日本人の法意識』において、日本の法意識に潜む「闇」を明らかにしています。
日本は近代化に成功した国でありながら、冤罪が後を絶たない理由は、刑事司法関係者の法意識が被疑者や被告人の権利に対して無関心であることにあります。
特に「人質司法」と呼ばれる長期の身柄拘束が常態化しており、これが冤罪を助長する要因となっています。
多くの刑事裁判官が無罪判決を出すことに消極的であり、冤罪の実態も明らかにされていないのが実情です。
さらに、警察や検察の捜査手法にも問題があり、無実の人が長期間拘束されるケースもあります。
例えば、袴田事件では、無罪が確定するまでに58年以上を要しました。
アメリカなど他国では冤罪防止のためのシステムが整備されている一方、日本では改革が進んでいないことが強調されています。
冤罪の問題は、単なる司法の不備にとどまらず、日本人の法意識全体に根ざした問題であり、江戸時代の影響が色濃く残っていると考えられています。
犯罪に対する日本人の法意識は硬直的で、無実の疑いをかけられること自体が「ケガレ」とされる傾向があるため、冤罪が生じやすい状況が続いています。
参考リンクhttps://news.yahoo.co.jp/articles/76dd66d6a05321008eb58548bfe70c7a5a89b468
冤罪問題に関するコメントでは、日本の司法制度やメディアの影響が大きく取り上げられ、冤罪を防ぐための改善が求められました。
特に、警察や検察の取り調べの可視化が必要であるとの意見が多く、透明性を高めることで冤罪のリスクを減少させるべきだとされました。
また、物的証拠を重視することが冤罪防止に寄与するとの意見もあり、現行の制度に対する疑問が呈されました。
さらに、メディアが容疑者を犯罪者と見なす報道姿勢が冤罪を助長する一因であるとの指摘もあり、メディアの役割も重要視されました。
全体として、冤罪の発生を防ぐためには、司法制度の改革や社会全体の法意識の向上が求められ、個々の職業倫理も重要であるとの意見が多く見受けられました。
ネットコメントを一部抜粋
有罪率を高くするために『有罪に出来るかどうか難しい犯罪を不起訴にしてしまう事』も問題だろう。
冤罪が多いとは思わないけれども、それを生み出しやすい仕組みであり、冤罪を防ぐべく努力が担当者の職業的良心に委ねられる危険は大いに感じる。
警察や検察の取り調べ、弁護士の接見、両方を可視化することはできないのだろうか？
日本では自白が重視されますが、それだけで有罪が確定することはなく、任意性や信用性が求められます。
冤罪は加害者と濡れ衣を着せられた方の人生や家族に多大なる影響を与えます。