『源氏物語』の作者に関する藤原道長の加筆説を解説。紫式部以外にも作者がいた可能性が示唆され、歴史的背景が浮き彫りに。
要約すると『源氏物語』の作者に関する議論は古くから存在し、特に藤原道長が加筆したという説が注目されています。
文筆家の古川順弘氏は、この作者複数説の背景や内容について解説しています。
『源氏物語』は紫式部によって書かれたと広く知られていますが、実際には他にも作者がいたのではないかという疑念が昔から存在していました。
特に鎌倉時代初期に書かれた文芸評論『無名草子』では、物語の素晴らしさから「人間業とは思えない」と評され、作者は一人ではないのではという意見が生まれました。
このような感想は現代の読者にも共通しており、作者複数説を支持する根拠となっています。
南北朝時代に編纂された注釈書『河海抄』では、紫式部が石山寺で『源氏物語』を起筆したという伝説が紹介されていますが、その続きには藤原道長が加筆したという記述もあります。
道長は物語の完成に関与し、奥書を加えたとされ、これが「老比丘」として示されていることから、道長が作品に影響を与えた可能性が示唆されています。
このように、藤原道長の加筆説は『源氏物語』の作者複数説の嚆矢として位置づけられ、物語の成立過程における重要な要素となっています。
古川氏の解説を通じて、歴史的背景や文化的文脈を理解しながら、『源氏物語』の魅力を再認識することができます。
参考リンクhttps://news.yahoo.co.jp/articles/9488041dc03968fb16a7fe2de21b46ab6ef83f25