映画『五香宮の猫』は、岡山県牛窓の猫と人々の共生を描いたドキュメンタリーで、監督の想田和弘が観察映画の手法で制作。猫の自由な生活を尊重する姿勢が印象的です。
監督の想田和弘は、観察映画の名手として知られ、台本なしで自然な日常を捉える手法を用いています。
彼は東京大学を卒業後、ニューヨークで映画を学び、2007年から観察映画を制作し続けてきました。
本作は、想田が27年間のニューヨーク生活を経て、2021年に岡山県牛窓に移住してからの初めての作品であり、彼の観察映画としては10作目となります。
牛窓は、彼の妻の母の故郷であり、過去に2本の作品も撮影された地です。
五香宮という神社には、数十匹の野良猫が住みつき、観光客も訪れるほどの人気スポットとなっています。
猫たちは、地域の人々や釣り客からの餌を受け取り、雨風をしのげる場所も確保されていますが、耳の先端がV字型にカットされた猫が多く見られます。
これは、避妊去勢手術を受けた猫の目印であり、地域で行われているTNR(Trap-Neuter-Return)活動の成果です。
想田は、TNR活動に参加している妻の影響で、撮影を始めることになりました。
彼は、事前のリサーチなしに行き当たりばったりで撮影を行い、映画のテーマは後から発見されるものだと語ります。
猫は彼にとって身近な存在であり、猫生を尊重する考えを持っています。
「猫が生きていける町はいい町だ」という信念を持つ想田は、自由に生きられる環境が人間社会にも必要だと考えており、猫を受け入れる姿勢が社会全体の幸福につながると信じています。
参考リンクhttps://news.yahoo.co.jp/articles/49b6bc06945a084b97a002fc915f4b9122608614