宝塚歌劇団員の急死を受け、過労やパワハラ防止のためのメンタルヘルス対策が重要視されています。精神科医の提案も紹介。
劇団は劇団員の健康管理や相談体制の強化に取り組んでいるものの、実際には個々の心身の状態を把握することが困難であるとの指摘があります。
働く人々を守るために、企業と労働者の双方が留意すべき点について、職場のメンタルヘルスに詳しい精神科医の渡辺洋一郎氏に話を聞きました。
彼は、過労死や自殺の問題を取り上げ、過労による精神的疲労がどのように人を追い詰めるのかについて詳しく説明しました。
厚生労働省のデータによると、令和5年の自殺者の中で「勤務問題」が原因のものは2875件に達し、その中の709件が「仕事疲れ」が要因です。
過労による鬱病は、短期間で衝動的な自殺を引き起こすことが多く、労働時間の長さだけでなく、業務に対する納得感も重要です。
また、いじめやパワハラが発生しやすい環境として、閉鎖性、上下関係、集団心理が挙げられ、特に閉鎖的な環境では攻撃的な指導が行われやすいと警鐘を鳴らしています。
企業にはパワハラ相談窓口の設置が義務付けられていますが、相談者が自ら行動しなければ問題は解決しません。
渡辺氏は、定期的なアンケートを実施し、体調や気分、睡眠の質を尋ねることで、心身の不調に気づくきっかけを作ることが効果的だと提唱しています。
心療内科や精神科への受診に抵抗を感じる人が多い中、彼は「疲れているのに眠れない、または楽しめない状態が1週間以上続いたら、すぐに病院へ」と呼びかけています。
参考リンクhttps://news.yahoo.co.jp/articles/099851f1adff8472500aaf238ad7204eaff2b5f0