福島第1原発から採取されたデブリがスプリング8に輸送され、結晶構造の詳細な分析が行われることが発表されました。
要約すると日本原子力研究開発機構は、東京電力福島第1原発から試験的に採取された溶融核燃料（デブリ）を兵庫県の大型放射光施設「スプリング8」に輸送したことを発表しました。
このデブリは、昨年11月に福島第1原発の2号機から事故後初めて採取されたもので、全長約9ミリ、重さは約0.7グラムです。
研究機構は、今後半年から1年程度かけてデブリの結晶構造などを詳細に分析し、その結果を本格的な取り出し工法の検討に役立てる意向を示しています。
デブリは、茨城県の大洗原子力工学研究所からスプリング8を含む4つの施設に分配され、合計で5つの施設で調査が行われる予定です。
特にスプリング8には、ウランが比較的集中している0.01グラム未満のデブリが搬送され、1マイクロメートル（千分の1ミリ）という非常に細かいスケールで試料を観察できる装置を用いて、元素の立体的な分布や量、原子の配列を調査します。
この分析により、事故時の炉内の温度などを高精度で推定することが可能となる見込みです。
これらの研究成果は、今後の原発事故における対応策の構築や安全性の向上に寄与することが期待されています。
参考リンクhttps://news.yahoo.co.jp/articles/15b406cfc7a723230f4e68721b07a456b8e4cf79