トランプ氏の勝利を織り込む東京市場での楽観論は過剰かもしれない。追加関税の影響で米国経済が悪化する可能性が懸念される。
開票途中の情勢から、トランプ氏が勝利に近づいているとの見方が広がり、ドル円レートは154円台に達し、日経平均株価は一時1,100円以上上昇しました。
トランプ氏の政策、特に規制緩和や法人税率の引き下げが市場に好感されている一方で、彼が提案する追加関税がドル高円安を進める要因ともなっています。
具体的には、中国からの輸入品に60%、その他の国からは10~20%の追加関税を課すというもので、これにより米国の消費者や企業は高い価格で輸入品を購入することが強いられ、物価が上昇する可能性があります。
この物価上昇は、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げを妨げる要因としても解釈されています。
また、トランプ氏の減税政策は財政見通しを悪化させ、長期金利の上昇を引き起こす恐れがあります。
金融市場は過去のトランプ政権の影響を考慮し、追加関税の影響を楽観視しているものの、今回の一律関税は貿易に大きな打撃を与える可能性があります。
これにより米国のGDP成長率は低下し、スタグフレーションの危険性も高まります。
さらに、トランプ氏がドル安志向を示す中、ドル安リスクが高まる可能性があり、日本企業は米国での現地生産を拡大せざるを得ず、国内生産と雇用の縮小を招く恐れがあります。
市場の楽観論は行き過ぎている可能性があり、トランプ氏の勝利が確定した場合、追加関税の経済への悪影響が再認識され、ドル安円高、株安に転じるリスクがあることに留意が必要です。
また、トランプ氏が敗北した場合には、国内での暴動や政治空白のリスクも考えられます。
参考リンクhttps://news.yahoo.co.jp/articles/41850a32040403d2febda270b6aaca82e328aef5