水没古文書の手軽な修復法を開発した奈良の研究者

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奈良の研究者が水没した古文書をシリカゲルと冷凍庫で手軽に修復する方法を開発。災害時の資料保存に貢献。

要約すると奈良県立橿原考古学研究所の中尾真梨子主任研究員(38)は、津波や洪水で水浸しになった古文書を修復する新しい手法を開発しています。

この手法は、市販の乾燥剤「シリカゲル」と冷凍庫を利用したもので、特別な装置を必要とせず、現地で手軽に実施できるのが特徴です。

中尾さんは、平成23年の東日本大震災以降、福島県での被災資料の修復に取り組んできました。

彼女は、「いつどんな災害が起こるか分からないため、被災地でも修復ができる選択肢を増やしたい」との思いから、この研究を進めています。

東日本大震災では多くの古文書や家庭のアルバムが水没し、廃棄されるケースが多く見られました。

中尾さんは福島県文化振興財団に就職後、ボランティアとして震災で損傷した古文書の修復活動に参加し、その重要性を実感しました。

しかし、従来の修復手法は真空状態での乾燥が必要で、大学や研究機関に委託するしかありませんでした。

令和元年の台風19号では、福島県の歴史民俗資料館が浸水し、古文書が大量に水没。

中尾さんたちは、文書を乾燥させるために多くの人手を必要としましたが、新型コロナウイルスの影響で集まることができなくなりました。

そこで、彼女が研究した「乾燥剤凍結乾燥法」が登場しました。

この方法では、水に濡れた文書をシリカゲルと共に密閉し、冷凍庫で保管するだけで修復が可能です。

実際に試行した結果、2年半後には良好な状態に回復しました。

しかし、この手法には処理期間が課題として残っています。

中尾さんは、今後もこの研究を進め、被災資料の保存に向けた選択肢を増やしていく考えです。

参考リンクhttps://news.yahoo.co.jp/articles/708decf9a9dd46fa433306f267dfef60409eb93e

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