東京大学の研究が示した色覚の違いとその構造的分析について解説。色の感じ方は個々で異なることが明らかに。
この研究は、個々の色の感じ方が他者と共有可能かどうかという古くからの哲学的・認知科学的な問題に挑むもので、これまでの研究とは異なる視点からアプローチしています。
実験には、426人の色覚正常者と257人の色覚障がい者を含む683人が参加し、93種類の色のペアをPC画面で見せ、色の類似性を8段階で評価しました。
研究チームはこのデータを元に、各グループの「色類似度構造」を作成し、色同士の関係性を基に異なるグループの色類似度構造を比較しました。
具体的には、数学的手法「GWOT」を用いて、ラベルなしで色の類似度構造を対応付けました。
その結果、色覚正常者同士のマップでは、正しく対応する確率が51%となり、偶然の一致率(1.1%)を上回る一方、色覚正常者と色覚障がい者のマップを比較すると、正しく対応する確率はわずか3.8%でした。
これは、同じ色覚タイプの人々が色の関係性をほぼ同じように感じている一方で、異なる色覚タイプの人々は根本的に異なる色の関係性を持つことを示しています。
つまり、色覚正常者が「赤」と呼ぶ経験は、他の色覚正常者と構造的に同じですが、色覚障がい者の「赤」とは異なるということです。
この研究は、色の感じ方に関する理解を深める重要な一歩となるでしょう。
参考リンクhttps://news.yahoo.co.jp/articles/509eae8699198297d6b7337c59888a01a5e98ae3
東京大学の新研究に対して、ネット上では色の見え方や色覚の違いに関心を持つコメントが多く寄せられました。
多くの人が、色の見え方が同じなのかという疑問を一度は持ったことがあると述べ、色覚異常者と正常者の色の関係性が異なるという結果に興味を示しました。
特に、色覚異常者が色をどのように感じているのかを知ることができ、実験結果を通じて新たな認識を得られたことに感謝する声がありました。
一方で、自分が見ている赤が他人が見ている赤と同じかどうかは、哲学や倫理学の講義での話として印象に残っているという意見もありました。
この研究では、色覚異常者が感じる色と色との関係性が正常者とは異なることが示されたものの、赤そのものを客観的に数値化することは難しいという現実も指摘されました。
また、色覚正常者同士でも、感じ方には個人差があり、他の人が区別できない色を判別することができる場合もあるといった意見もありました。
今回の実験が色の関係性に限定されているため、正常者同士での類似性が見られるのは当然という見解もありました。
さらに、片目に眼内レンズを入れている人からは、見え方の違いについての興味深い体験談も寄せられました。
このように、色覚に関する研究は、多くの人々に新たな視点を提供し、色の見え方についての議論を促すきっかけとなったようです。
ネットコメントを一部抜粋
色の見え方が同じなのか、は一度は考えたことあるよね。
色覚が異なる方とは違う関係の見え方してるってのも、言われてみればそうなんだろうけど。
自分が見てる赤は他人が見てる赤とは違うかもしれないという話は、趣味で取ってた大学の講義で初めて聞いた。
今回の実験は色の関係性に限定したものだから、色覚正常者どうしなら類似するのは当然。
片目だけ眼内レンズを入れているが、そちらは青白く明るく見える。