日立が生成AIを活用した新技術を開発し、製造業のサプライチェーン強化を目指す。自然災害やパンデミックに迅速に対応可能に。
この技術は生成AIを活用し、サプライヤーの製造拠点を高精度に推定することで、リスク発生時の迅速な対応を可能にします。
具体的には、企業内データやオープンデータをリアルタイムで収集・蓄積し、それらを関連付けて人間が想定しきれない洞察を抽出します。
部品の型名や供給元の企業名などの情報を生成AIに入力することで、製造拠点の情報を推定する仕組みです。
日立グループ内での検証では、85％を超える精度で製造拠点情報が推定できることが確認されています。
この技術の導入により、地震や台風などのリスク発生時における情報収集や分析作業が大幅に効率化され、例えば地震が発生した際には、揺れの大きい地域にある製造拠点を迅速に特定し、在庫の積み増しや代替調達先の確保といった対策が可能になります。
製造拠点の推定作業は、まず調達時の契約情報から得た所在地や部品情報を製品コードに変換し、その後生成AIを用いて企業の公式ホームページやISO認証情報、地図情報などのオープンデータから製造拠点の候補情報を抽出します。
最終的に、一貫性や正確性を確認するための処理を加え、サプライヤーの製造拠点を緯度・経度のレベルで推定します。
日立によると、近年は自然災害やパンデミック、地政学的な紛争など、サプライチェーンに影響を与えるリスクが増加しているため、特に製造業においてはリスク管理とレジリエンス強化が重要な課題となっています。
今後、日立は東京大学と共同で製造業に影響を及ぼすリスク予兆を取り込み、調達リスクを可視化する研究を進め、リスク管理の効率化を図るとともに、サプライチェーン強靭化に貢献することを目指します。
参考リンクhttps://news.yahoo.co.jp/articles/7cac04f7ca0fcbd7774938211638e6648cdcb411