Amazonの「プロジェクト・カイパー」は、悪天候により初の本格打ち上げが延期されました。3200基の衛星を展開し、2025年内のサービス開始を目指します。競争激化が期待され、高速インターネットの普及が進む可能性があります。
打ち上げは米国東部時間の4月9日19時から21時に予定されていましたが、ユナイテッド・ローンチ・アライアンス（ULA）によると、ケープカナベラル上空の積雲と強風が原因で実施できなかったとのことです。
新しい打ち上げ日程はまだ決まっていませんが、最新情報はミッションページで随時更新され、打ち上げの模様もライブ配信される予定です。
使用されるロケットはULAの「アトラスV」で、フロリダ州のケープカナベラル宇宙軍基地からの打ち上げが予定されています。
この打ち上げは、カイパーの商用衛星としては初の本格的なものであり、2019年に発表された総額100億ドルの投資計画の重要な節目となります。
現在、衛星インターネット市場はSpaceXのスターリンクが約7000基の衛星でリードしていますが、Amazonは今後80回の打ち上げを通じて3200基の衛星を展開し、2025年内のサービス開始を目指しています。
この競争の激化により、ネット環境が改善される可能性が高まっています。
スターリンクやAmazonに加え、Viasat、Hughesnet、Eutelsat、中国のSpaceSailなども参入しており、へき地や農村部でも高速インターネットが普及する期待が高まっています。
競争が進むことで料金の低下や速度の向上が見込まれますが、その実際の効果はまだ不透明です。
USCコンピュータサイエンス学科の客員教授であるマフディ・エスラミメフル氏は、AmazonがULAやアリアンスペース、ブルーオリジン、SpaceXと大型打ち上げ契約を結んでいることから、豊富な資金力とインフラを背景に有力な競争相手となると述べています。
彼は、現状ではスターリンクが優位に立っているものの、資金力と俊敏性を持つ競合が増加しているため、今後の競争がさらに激化する可能性があると指摘しています。
プロトタイプ段階では、Amazonの衛星は順調に機能しており、AWSの宇宙利用試験も進行中です。
エスラミメフル氏は、プロジェクト・カイパーが競争の枠を超え、世界のデジタル格差を埋め、インターネット未整備地域へ高速サービスを提供する重要な一歩であると語っています。
参考リンクhttps://news.yahoo.co.jp/articles/4cd3403fa20097cc7aa0d7958bb517034ce676b3