宮崎県日南市の元副市長が官製談合事件で1年以上も勾留され、自白を迫られた問題が明らかに。捜査手法に対する批判が高まる中、司法制度の見直しが求められている。
田中被告は、西日本新聞の取材に対し、黙秘を貫いたために1年以上も保釈が認められなかったと話し、「心が折れそうになり、認めた方が楽になると何度も考えた」と語りました。
彼の弁護人は、捜査機関による「筋書きありきの作られた事件」として強く非難しています。
事件の捜査は2020年10月に始まり、田中被告は任意同行を求められました。
警察からは、地元建設業協会の会長が談合を取り仕切っていると認識しつつ、災害復旧工事の事業費を伝えたことを自白するように迫られました。
取り調べは長時間にわたり、初日は12時間43分、翌日は14時間9分にも及びましたが、田中被告は「談合のことは知らなかった」と否定し続けました。
さらに、脅迫的な言葉もあり、「日南に住まれなくしてやる」との発言があったことも明かされています。
最終的に、田中被告は2022年2月に保釈されるまで、長期間の勾留を経験しました。
公判が始まると、共犯の男性は起訴内容を認めたものの、実際には持病の影響で耐えられなくなり、意に沿わない調書にサインしたとされています。
また、他の業者も同様に、事実と異なる調書に署名するまでに何度も取り調べを受けたことを明かしています。
宮崎県警と宮崎地検は、捜査の適正性についてのコメントを控えていますが、専門家は、冤罪を防ぐために勾留の要件を見直すべきだと指摘しています。
この事件は、長期間の勾留と自白を強いる捜査手法が問題視される中で、司法制度の在り方に疑問を投げかけています。
参考リンクhttps://news.yahoo.co.jp/articles/e811a6547e4c5cf34567902532e24488a7aa0607