JR西日本とSBTが進める生成AI実証実験の概要

SBテクノロジーがJR西日本の建設データを用いてRAG技術を活用した生成AIの実証実験を実施。若手技術者の技術判断向上を目指す取り組み。

要約するとSBテクノロジー（SBT）は、JR西日本の建設部門データを対象に、RAG（検索拡張生成）技術を用いた生成AIの実証実験を行った。

この実証実験は、JR西日本の鉄道建設工事に関する膨大なドキュメントを活用し、生成AIによる回答精度の有用性を検証することを目的としている。

特に、若手技術者の技術判断の精度向上を目指し、過去の知見や技術ノウハウを利活用することが重要視されている。

実験では、SBTが開発した検証システムに約6万ファイルを取り込み、RAGによる情報の分類や回答生成の精度を確認した。

JR西日本は「JR西日本グループデジタル戦略」の一環として、顧客体験、鉄道システム、従業員体験の再構築を進めており、特にデジタル化とデータの利活用が重要な課題となっている。

大阪工事事務所では、熟練技術者の定年退職による技術の継承が求められており、そのためにクラウドストレージサービスのBoxを利用して建設データを管理・共有している。

しかし、膨大な資料から必要な情報を検索する手間が大きく、依然として熟練技術者の経験に頼る場面が多い。

SBTは、マイクロソフト製品に関する豊富な導入実績を持ち、生成AIのノウハウを活用して、RAGを用いた情報検索システムを構築した。

実証実験は2023年12月から2024年3月までの期間で行われ、Microsoft Azureのクラウド基盤を利用して生成AI検証システムが構築された。

セキュリティ対策として、個人情報の自動削除やプライベートアクセスの設定が実施され、約6万ファイルに対して安全に生成AIを活用する基盤が整えられた。

プロンプトを入力することで関連情報を基に回答文が生成され、検索時の利便性を高めるための機能も実装されている。

これらの取り組みにより、今後の業務課題解決に向けた継続的な支援が期待されている。

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