中高層木造ビルの建設が進んでおり、環境保全や脱炭素化に寄与。国や自治体も木材利用を促進し、商業ビルの建て替え需要が高まる中、木造化が新たな商機に。
木材の利用は環境保全と脱炭素化に寄与するため、国や自治体も木材利用の促進に力を入れています。
人口減少や少子高齢化に伴う住宅着工件数の減少が続く中、商業ビルなどの非住宅建物は老朽化が進んでおり、建て替え需要が高まっています。
これにより、木造・木質化の建物は建設・不動産関連企業にとって新たな商機となっています。
清水建設は、木材と鉄骨を組み合わせた地上12階建ての「木造ハイブリッド」構造の賃貸オフィスビルの建設を進めており、東京駅周辺でも木造超高層ビルの建設計画が進行中です。
矢野経済研究所の予測によると、国内非住宅市場規模は2021年度の5952億円から2025年度には7700億円に増加すると見込まれています。
木造化が進む理由は、建設時のCO2削減に加え、長期的に建物がCO2を貯蔵する能力があるためです。
また、木材の利用は森林のCO2吸収機能を維持し、林業や地方経済の活性化にもつながります。
木材の温もりや香りが心理的・精神的に良い影響を与えることも研究で示されており、木造校舎で学ぶ生徒は疲労感が少なく、インフルエンザによる学級閉鎖も少ないとの結果もあります。
しかし、現状では木造化率は44.7%にとどまり、4階建て以上の中高層建物は1%以下となっています。
このため、国や自治体は補助金などのインセンティブを提供し、木材利用の促進を図っています。
2021年に改定された「都市の木造化促進法」は、公共建物の木造化を「呼び水」とし、一般建築物への適用を拡大しました。
国連環境計画の報告書によれば、建物からのCO2排出量は世界全体の37%を占めており、木材利用の促進が脱炭素社会の実現に向けて重要な役割を果たすことが期待されています。
参考リンクhttps://news.yahoo.co.jp/articles/3c86a9cc03b844948221563dde0e40a3f8c3bb91