ロシアがシリアのタルトゥースとフメイミム基地から大規模撤退を進めており、中東における影響力が低下する可能性が高まっています。
これらの基地は、ロシアにとって地中海における唯一の軍事拠点であり、1971年以来、シリアのアサド政権への安全保障を提供する見返りとして機能してきました。
しかし、2022年2月に始まったウクライナ侵攻の影響で、ボスポラス海峡の通行が制限され、これらの基地はロシア艦艇の補給や修理の重要な拠点となっていました。
最近、シリア反政府武装組織による反撃が強まり、アサド政権が崩壊の危機に瀕しています。
この状況により、ロシアは駐留艦艇の撤退を進めており、ウクライナ国防省はこの動きをロシア海軍の撤退の一環と捉えています。
具体的には、12月8日に「アドミラル・グリゴロヴィチ」級フリゲートや貨物船が基地を出港したことが確認されています。
また、フメイミム空軍基地でも、駐機していた輸送機を使用して武器や装備が撤去されています。
このような動きは、ロシアの中東における影響力の低下を示唆しており、ウクライナ国防省は「タルトゥースとフメイミムの失陥がロシアの中東における敗北を決定的にする」との見解を示しています。
参考リンクhttps://news.yahoo.co.jp/articles/51503c00a23b3f5b656f73117fe953873e4f3002
ロシアのシリア基地撤退に関するコメントは、さまざまな観点から中東情勢への影響を分析していました。
特に、ロシアが地中海に面したシリアを失うことが欧州へのエネルギー供給に大きな変化をもたらす可能性が指摘されていました。
具体的には、サウジアラビア周辺国からシリア経由でパイプラインを引くことで、欧州がロシアからの原油や天然ガスの依存度を減らすことができるという見解がありました。
これにより、ドイツやフランスがロシアからのエネルギー調達を見直す可能性が高まるとされました。
さらに、アサド政権に対する敵視が変わらない限り、ロシアの影響力が減少することが懸念されました。
トルコとの関係も重要視され、ロシア海軍の拠点確保が今後の戦略に影響を与えると考えられました。
コメントの中には、ロシアがシリアの基地を維持するために反政府勢力との交渉を行う可能性があるとの意見もあり、今後の動向に注目が集まりました。
また、ロシアの国力が低下し、シリア支援の余力がなくなるとの見解もあり、国際情勢の変化がロシアにどのような影響を与えるのかが議論されました。
全体として、ロシアのシリア撤退は中東のパワーバランスやエネルギー供給に大きな影響を与えると考えられていました。