インターネット上の高額報酬アルバイト「闇バイト」が引き起こす強盗事件が急増。特に高齢者を狙った凶悪犯罪が多発し、社会全体での対策が求められている。
8月以降、住宅に押し入る形での強盗事件が14件発生し、横浜市では75歳の男性が殺害され、千葉県市川市では50歳の女性が監禁されるという深刻な事態が報告されている。
これらの事件は、SNSを通じて集められた若者たちが指示役の命令に従って実行したとされている。
捜査によると、実行役の若者たちは「荷物の運搬」や「ホワイト案件」といった名目でアルバイトに応募し、1回あたり5万〜10万円の報酬を提示されていた。
指示役は、身分証を送らせて待機場所に集め、強盗に関与するように迫り、拒否すると「個人情報を知っている」と脅迫する手口を使っていた。
闇バイトが絡む事件は、2020年頃から急増しており、特に22〜23年には「ルフィ」と名乗る男らが指示した強盗事件が発覚し、凶悪化が顕著になっている。
多くの事件では、首謀者や指示役の摘発が進まず、逮捕されたのは末端の実行役が大半である。
このような状況を受けて、警察庁は「匿名・流動型犯罪グループ」と名付け、監視を強化している。
しかし、仲間内の連絡には秘匿性の高い通信アプリが使用され、痕跡が残りにくい。
AIを活用したネット監視も進められているが、巧妙な勧誘手法に対抗するには限界がある。
石破茂首相は、闇バイトへの注意喚起や相談体制強化を補正予算案に盛り込む考えを示しており、SNS事業者にも犯罪関連の書き込みの監視や削除に対する責任が求められている。
若者の困窮や孤立を解消するためには、多角的な観点からの取り組みが必要である。
参考リンクhttps://news.yahoo.co.jp/articles/259a00e8cdce60bde69bc16dd00e41df44fd5a02