厚生労働省が介護関係者からヒアリングを行い、特別養護老人ホームの介護テクノロジー導入の成果や今後の課題について議論しました。
会議では、東京都世田谷区の特別養護老人ホーム「砧ホーム」の鈴木健太介護生産性向上推進室長が登壇し、同ホームで導入された介護テクノロジーの効果を説明した。
砧ホームでは、パラマウントベッドが提供する見守りセンサー「眠りSCAN」を全60床に導入し、インカムや介護報酬請求をサポートするシステムを取り入れた結果、2020年4月から3年連続で常勤介護職員の離職率がゼロという成果を上げた。
また、職員の年間休日も140日以上に達している。
鈴木室長は、導入の成功には行動指針の徹底が重要であり、厚労省のガイドラインを基に職員の理解を深めたことが要因であると強調した。
さらに、改善によって生まれた時間を研修や有給消化に充てることで、サービスの質向上を目指す意向を示した。
一方、介護労働安定センターの北條憲一事務局長は、介護分野の生産性向上には加算の取得による収入増、人件費以外のコスト削減、職員の処遇向上が必要であると述べた。
また、介護テクノロジーの導入だけでは業務が効率化するわけではなく、職員の意識改革も不可欠であると指摘した。
今後は労働時間の短縮や職員定着など、雇用管理の改善も重要であり、都道府県は福祉医療機構(WAM)などと連携し、介護事業者への経営支援を積極的に行うべきだと提案した。
参考リンクhttps://news.yahoo.co.jp/articles/7d01dfa04eaae82430b74e4858e4f10946980c7a
介護テクノロジーの導入に関するコメントでは、テクノロジーの進展が期待される一方で、現場の実情が厳しいことが強調されました。
特に、小規模な訪問介護事業所では、テクノロジー導入に必要な資金や人材が不足していると感じられています。
例えば、補助金があっても実際には導入が難しいという意見が多く、業界全体の労働環境が改善されない限り、テクノロジーの効果も薄いのではないかという懸念が示されました。
また、介護職の離職率の低下を謳う一方で、大規模施設との比較や、職員の配置人数、労働条件の違いが問題視され、単純に成功事例を他に適用することは難しいと指摘されています。
さらに、介護職の給与や労働時間、休暇の取りにくさが、若い世代の就職希望者を減少させているという意見も多く見受けられました。
国や厚生労働省の取り組みが現場の声を反映していないと感じるコメントもあり、より実情を理解した上での政策が求められていることが強調されました。
全体として、テクノロジーの導入だけではなく、根本的な制度改革や労働環境の改善が必要であるとの意見が多く寄せられていました。
ネットコメントを一部抜粋
国が推奨する訪問介護は小さな事業所が多く、テクノロジー導入は難しい。
常勤介護職員の離職がゼロでも、特養の規模が小さいため浸透しやすい。
介護士の人数が少ないのではなく、要介護5の方が多すぎる。
大きな事業所では給与が上がりにくく、正社員としては難しい。
テクノロジー導入だけではなく、職場環境の整備が必要だ。