Amazonが新量子チップ「Ocelot」を発表。エラー訂正コストを最大90%削減し、耐故障性量子コンピュータの構築に貢献。
このチップは、従来の量子エラー訂正手法と比較して、エラー訂正のコストを最大90%削減できるという革新的な特性を持っています。
Ocelotは、カリフォルニア工科大学の研究チームによって開発されており、商業的・科学的に重要な問題を解決するための耐故障性量子コンピュータの構築に向けた重要なステップとされています。
Ocelotの特徴的な点は、「ネコ量子ビット(cat qubit)」を採用し、特定のエラーを抑制する効果を持つことです。
この設計により、エラー訂正を初めから組み込み、必要なリソースを削減しています。
さらに、Ocelotは量子ビット数を増やすのではなく、振動子のエネルギーを増加させることでエラー訂正を効率化しており、これにより量子コンピュータに必要なリソースを最大で10分の1に削減可能です。
Ocelotは、ビットフリップエラーに対する保護を備えており、位相フリップエラーは反復符号を用いて訂正されます。
また、ノイズバイアス制御NOT(C-NOT)ゲートを利用してエラー検出を行いながら、ビットフリップ保護を維持します。
AWSは、Ocelotがまだプロトタイプであることを強調し、今後も量子研究への投資とアプローチの改良を続ける意向を示しています。
加えて、AWSは2019年に量子コンピュータのフルマネージドサービス「Amazon Braket」を発表し、科学者や開発者が様々な量子コンピューティングハードウェアやシミュレーターを利用できるようにしています。
Ocelotの研究開発も、このプラットフォームを通じて支援される予定です。
競合他社としては、米Googleが「Willow」、米Microsoftが「Majorana 1」を発表しており、量子コンピューティング分野はますます注目を集めています。
参考リンクhttps://news.yahoo.co.jp/articles/6b4c4a9229bc4315085f8ec6bd8858bfdddd5d4a