急速な少子化に伴い、大学の再編が避けられない中、地域との連携強化が求められている。中教審の答申は、大学の統合や新設時の認可厳格化を提言し、地域貢献の重要性を強調。教育の質向上も課題として取り上げられている。
中教審が文部科学相に答申した内容によると、大学の経営が厳しい場合の撤退や縮小を促すため、国が指導と支援を強化し、地域に必要な大学を残すための方策を提言している。
この答申を受けて、文部科学省は今後10年の政策工程を示す予定であり、特に2024年には大学進学者数が約63万人に減少し、40年には46万人にまで落ち込む見通しが立っている。
これは、現在の大学定員の約7割に相当し、全国に約800ある国公私立大学の数と規模を維持することが困難になる可能性が高い。
答申では、行き詰まった大学の統合を促進するための制度改善や、新設時の認可厳格化が提案されている。
また、私立大学の公立化については慎重な検討が必要であり、公金投入による安易な救済は避けるべきとされている。
特に地方大学は地域での人材育成において重要な役割を果たしており、学生は地域に活力をもたらす存在でもある。
大学は公共財としての価値を高めるため、地域との結びつきを強化し、自治体や企業と協力して地域課題の解決や産業育成に貢献することが求められている。
さらに、社会人に対して学び直しの機会を提供することも重要であり、地域貢献に成功している大学とそうでない大学との間には大きな差が存在する。
中教審の答申は、地域構想推進プラットフォームの構築を提案しており、大学の将来像や人材育成策を地域全体で議論し、共有することを目指している。
大学の教育の質向上も重要な課題であり、成績評価の厳格化や留学生、社会人の受け入れ推進、大学院教育の改革が促されている。
教育の質を数段階で格付けし、国民に分かりやすく情報提供する新たな評価制度の必要性も強調されている。
高等教育が目指すべき姿として、学ぶ人数と個人の能力を掛け合わせた「知の総和」の向上が示され、九州地域でも大学が立地する地域ごとにこの目標を高めていくことが期待されている。
参考リンクhttps://news.yahoo.co.jp/articles/e0bd162c5720b8528bacc90ca6707fb312fc4b25