2024年のVR市場は主要デバイスの発売にもかかわらず12%減少。メタのシェアは84%に達し、ARスマートグラスの復活が市場活性化の鍵と予測。
調査会社カウンターポイント・リサーチのレポートによると、この減少の背景には、エンターテインメント以外の魅力的なコンテンツの不足や、長時間使用時の眼の疲れ、バッテリーの持続時間といった従来からの課題が影響しています。
特に、2023年10月に発売されたMeta Quest 3は、翌年の同時期に発売された廉価版のMeta Quest 3Sよりも注目を集めています。
しかし、最近の数ヶ月ではメタがVR市場でのシェアを再び高めており、2024年第4四半期にはメタのデバイスのシェアが出荷台数ベースで84%に達しました。
これに対し、アップルや中国のPicoは大きくシェアを落としました。
特に、Meta Quest 3Sの投入により、Apple Vision ProやPico 4 Ultraの販売が影響を受けたとされています。
とはいえ、全体の市場にとっては必ずしも悪いニュースばかりではなく、中国のVRヘッドセットメーカーDPVRが企業向けセグメントで売上を伸ばしていることが注目されています。
DPVRは、PC向けVRプラットフォームに対応する「DPVR E4」というコンシューマ向け製品も展開しており、今後の成長が期待されています。
さらに、カウンターポイントは2025年から2026年にかけて市場が再活性化すると予測しており、その原動力はVRヘッドセットではなく、「拡張現実(AR)スマートグラスの復活」であるとしています。
今年1月のCESや3月のMWCでは、SnapやXReal、Nuanceなどから新たなARスマートグラスが発表され、メタも「Orion」と呼ばれる高度なARスマートグラスを発表しました。
メタはOrionを「これまでで最も高度なARグラス」と称していますが、発売日は未定です。
さらに、サムスンの複合現実(XR)ヘッドセットも期待されており、グーグルの新OS「Android XR」と同時期に発売が計画されていますが、初期の売上には期待が持てないとの報道もあります。
参考リンクhttps://news.yahoo.co.jp/articles/a2ff307bd7e998596b61d0c571a7afa961a8ee62
VR市場の縮小とメタのシェア増加に関するコメントは、様々な視点からの意見が寄せられていました。
まず、AR(拡張現実)の方が先に普及してほしいという意見が多く、特にメガネタイプのデバイスに対する期待が表現されていました。
便利で軽量なデバイスが求められる一方で、現在のVRは中途半端でリアルな需要に応えていないという指摘もありました。
初めてVRを体験した人は、その新鮮さや感動を感じつつも、次第に飽きてしまったという意見が多く、興味を引くコンテンツの不足が問題視されていました。
さらに、観光地でのARの普及状況についても言及され、実際にはあまり利用されていないという現実が浮き彫りになっていました。
VRデバイスについては、体験は素晴らしいが、装着の煩わしさや酔い、価格の高さが利用の障害になっているとの声が多く、特にコンテンツの質や臨場感が求められていました。
友人と一緒に楽しむことが難しい点も、家庭への浸透を妨げている要因として挙げられました。
全体として、VR市場は期待される一方で、技術革新やコンテンツの充実が急務であるとの見解が多くのコメントから読み取れました。