大韓航空機墜落事故を通じて、儒教文化が経済やビジネスに与える影響を考察し、労使関係の強さやコミュニケーションの重要性を浮き彫りにした記事です。
これまで、欧米では儒教の価値観は時代遅れとされ、資本主義やグローバル化とは相容れないと考えられてきました。
しかし、最近の研究により、儒教が持つ労使関係や経営スタイルが、特に東アジアの経済成長に寄与している可能性が指摘されています。
例えば、2008年のリーマンショックを乗り越えた韓国企業の成功は、儒教文化に根付いた強固な労使関係の一因とされています。
韓国の大手企業は、家族経営の傾向が強く、経営陣には専門家よりも血縁者を優先する傾向があります。
このため、求職者は実力よりも人脈を重視する傾向が強まります。
実際、2013年の調査では、84%の若年労働者が成功のために「実力者」に頼りたいと答えたのに対し、努力を重視する人はわずか10%でした。
こうした社風の中では、若手社員が経営者に意見を述べることが難しく、結果として企業内のヒエラルキーが厳しくなり、革新的な提案や情報交換が阻害されます。
大韓航空の事故も、操縦室内の上下関係が安全記録に悪影響を与えた一因とされています。
特に、若手パイロットが機長を恐れて誤りを指摘できない状況が、チームワークに必要なコミュニケーションを妨げていました。
1997年のグアムでの墜落事故では、この問題が顕著に表れ、228人の命が失われました。
その後、大韓航空は外国人の教官を雇い、儒教文化を排除し、操縦室内での責任共有とコミュニケーションの改善に努めるようになりました。
これにより、儒教的価値観が必ずしも経済成長に寄与するわけではないことが示されています。
参考リンクhttps://news.yahoo.co.jp/articles/7c293605796170e0e5c62c552964a8af78dad37d