ThinkerのTK-01シリーズは、赤外線とAIを活用してロボットハンドの精度を向上させ、透明物や柔らかい物体のピックアップを実現します。CEATEC 2024でのデモでは、自らやり直す能力も示されました。
このセンサーは、透明物や鏡面物、形状が不定の物体、さらには柔らかい物体のピックアップを可能にし、従来のカメラベースのシステムでは捉えにくい対象物も扱える点が特徴です。
TK-01シリーズは、4つの赤外線モジュールとエッジAI基板を組み合わせることで、対象物からの反射光量を測定し、AIが距離と角度を推論します。
これにより、熟練者の技術が必要だったティーチングの手間を大幅に削減できるのです。
特に、カメラが苦手とする透明物や鏡面物の計測が可能なため、製造現場でのピッキングロボットの運用がより効率的になります。
また、AIモデル「Thinker AI」が赤外線モジュールのデータを基にロボットハンドの指先位置を微調整するため、ラフなティーチングでも運用が可能です。
これにより、物体の位置や角度が変わっても追跡し、山積みの部品を「まさぐる」ような動きが実現します。
ThinkerのCTO、中野基輝氏は、動物が物を触る際に脳だけでなく手の神経でも情報を処理していることに触れ、従来のロボットが模倣していたのは脳の部分だけであったと述べています。
さらに、TK-01を搭載したロボットハンドとカワダロボティクスのヒト型ロボット「NEXTAGE」を組み合わせたキッティングデモでは、対象物をつかみ損ねた場合、自らやり直す能力も披露されました。
現在、TK-01シリーズはセンサー基板とAI基盤の「TK-01N」が販売中で、センサー基板を防じんケースに収めた「TK-01G」の開発も進められています。
参考リンクhttps://news.yahoo.co.jp/articles/d489333468fcc1c7e6bc3f7d0ddb66db3df74f16