ネット上の誹謗中傷が深刻化しており、調査では加害者は3%未満、目撃者は4割近く。多くは傍観者で、正義感から誹謗中傷を行うことも。対策として教育や相談窓口の活用が提案されている。
調査では、全国の18歳から69歳までの男女3800人を対象に行われ、誹謗中傷を行ったことがあると答えた人はわずか2.8%に過ぎなかった。
一方で、9.7%は自身が誹謗中傷の被害者であると回答し、37.6%が他人の誹謗中傷を見聞きしたことがあると述べた。
誹謗中傷に対する感情としては、「生きづらい、いやな世の中になった」と感じた人が76.8%に達し、「自分も投稿する際は気をつけよう」と考える人が75.1%、また「面倒くさそうなので関わりたくない」という人が70.4%に上った。
さらに、誹謗中傷に「いいね」や拡散をしたことがある人は3.7%、賛同するコメントや投稿をした人は3.4%にとどまった。
調査結果からは、多くの人が誹謗中傷に対して嫌悪感を抱きながらも、傍観者となっている現状が浮かび上がった。
誹謗中傷の理由としては、「相手が間違っている、悪いと思った」と「腹立たしかった」が共に23.1%で最も多く、個人的な正義感や一時的な感情が影響していることが示された。
誹謗中傷の対象は人間関係や芸能人、政治的意見、恋愛、スポーツなど多岐にわたる。
国際大の山口真一准教授は、誹謗中傷の加害者になるリスクを減らすためには、自分の「正義感」に敏感になり、情報の偏りを知ることが重要だと指摘している。
また、誹謗中傷の問題は民主主義に対する脅威であり、自由な発信ができるSNS環境において表現の委縮が進んでいると警鐘を鳴らした。
学校教育においては、批判と誹謗中傷を区別できるような討論形式の授業の充実が求められている。
参考リンクhttps://news.yahoo.co.jp/articles/f3ca8e4d8174e55a9a8b38ca952c37d57dff75b2
コメントでは、ネット上の誹謗中傷の実態とその対策について多様な意見が寄せられました。
特に、誹謗中傷と批判の境界が曖昧であることが、多くの人々にとっての悩みの種となっていました。
匿名性が強いSNSでは、顔が見えないことで無責任な発言が増え、誹謗中傷が助長されるという意見がありました。
また、誹謗中傷を行う人々の多くは、自らの行為を正当化し、加害者である自覚がないことが指摘されていました。
これに対して、より厳格な法規制や、SNS利用に関する教育の必要性が提案されました。
特にオーストラリアのように、16歳未満のSNS利用を規制する動きがあることが挙げられ、教育を通じて理解を深めることが重要であるという意見もありました。
さらに、メディアの報道が誹謗中傷を助長する場合もあるとの指摘があり、報道のあり方についても再考が求められていました。
最終的に、誹謗中傷をなくすためには、社会全体での意識改革と法的な対策が不可欠であるとの結論に至っていました。