フリンダース大学の研究者が新たに開発したデータ保存技術は、ポリマーに微細なへこみを作り、同じ面積に4倍のデータを記録できる革新性を持っています。
要約するとオーストラリアのフリンダース大学の研究者たちが発表した新しいデータ保存技術は、ポリマー表面に微細なへこみを作ることでデータを記録、読み取り、消去するという革新的なアプローチを採用しています。
この技術は、原子間力顕微鏡(AFM)の探針を使用し、硫黄を含む新しいポリマー材料を用いることで実現されています。
従来のHDDや光ディスク、フラッシュメモリは物理的な限界があり、さらなる大容量化が難しい状況でしたが、この新技術によってその課題を克服できる可能性があります。
具体的には、硫黄と特殊な有機化合物を反応させる「逆加硫」という方法で作られたポリマーは、硫黄-硫黄(S-S)結合が多数存在し、加熱によってその結合を切断・再形成することができるため、データの記録と消去が可能になります。
この技術では、へこみの深さを精密に制御することで、デジタルデータを「0」と「1」だけでなく、へこみなし、浅いへこみ、深いへこみの3種類の値で表現できるため、同じ面積に4倍のデータを記録することができます。
実用化に向けた実験では、約800nmという薄いポリマーでもデータが記録可能であり、140度で10秒間加熱するだけでデータを消去できることが確認されています。
この新技術は、電子顕微鏡を用いてデータの読み取りができることも示しており、今後のデータストレージの進化に大きく寄与する可能性を秘めています。
参考リンクhttps://news.yahoo.co.jp/articles/4d5dee1dcbf8477bd31cc53c175a288f1bea4db4