ガザの停戦合意により、スエズ運河の通航再開が注目されていますが、安全確保が課題で、海運業界の業績にも影響が出る見込みです。
海運関係者は、スエズ運河につながる紅海・アデン湾の安全が確保されなければ通航再開は難しいと述べており、再開については「時期尚早」との見解を示しています。
特に、ハマスに連帯を示すイエメンの武装組織フーシ派による商船への攻撃が続いているため、これが通航再開の大きな障害となっています。
停戦合意は、米国、エジプト、カタールが仲介し、11月19日に発効予定ですが、欧州の海運コンサルタントは停戦が持続するかどうかは不透明であり、フーシ派が商船に対する通商禁止を継続する可能性が高いと指摘しています。
2023年10月からの衝突の影響で、紅海エリアの航行リスクが高まり、海運会社は安全確保のためにスエズ運河を迂回し、喜望峰経由のルートに変更せざるを得なくなりました。
これにより、スエズ運河の通航隻数は1日当たり20-30隻にまで減少し、アジア-欧州間の輸送期間が約10日間延びる結果となっています。
スエズ運河の迂回は、コンテナ船やドライバルク船、タンカー、自動車船など様々な船種に影響を及ぼし、運賃の上昇を招くこともあります。
海運大手の業績にも影響が出ると見込まれていますが、現時点では今期の業績には大きな影響はないとされています。
スエズ運河が通航可能になれば、コンテナ船の供給が15%、自動車船が10%増加する見込みですが、影響が出るのは来期以降になるとのことです。
また、紅海・アデン湾では最近130件以上の民間商船への攻撃や不審船の追尾が発生しており、海運業界の安全が脅かされています。
参考リンクhttps://news.yahoo.co.jp/articles/51b36e815546280a710ce9d39fc5650d6759304c