ホンダの「コムスターホイール」は、軽さと剛性を兼ね備えた革新的なホイールで、バイク業界に大きな影響を与えました。
バイクのホイールは長い間、ワイヤースポークホイールが主流でしたが、1970年代中頃にアルミニウムを鋳造して作ったキャストホイールが登場しました。
ホンダは、ヨーロッパの二輪耐久レース選手権に参戦するために、軽さと剛性を兼ね備えた「コムスターホイール」を開発しました。
このホイールは、ハブと軽量なリムを「スポークプレート」で繋いだ独自の構造を持ち、剛性を調整できる点が特徴です。
「コムスター」という名称は、合成(Composite)と星型(Star)を組み合わせた造語で、ワイヤースポークホイールの軽さとキャストホイールの高い剛性を併せ持っています。
ホンダはこのホイールを市販スポーツバイクに導入し、最初に装備したのは「CB750FOUR-II」です。
このモデルは当初、チューブタイヤを装着していましたが、後にホンダはタイヤメーカーと共同でチューブレスタイヤを開発し、1977年に「GL500」に初めて搭載しました。
チューブレスタイヤは、安全性が高く、メンテナンスが簡単なため、コムスターホイールはホンダのロードスポーツモデルにおいて重要な特徴となりました。
結果として、この革新的なホイールは大排気量車だけでなく、250ccや400ccのスポーツバイクにも広がり、多くのバイクに影響を与えました。
参考リンクhttps://news.yahoo.co.jp/articles/0a49f1288e5b407074e63bad79857143c743ae7b
コムスターホイールは、キャストホイールとスポークホイールの長所を組み合わせた革新的な設計として、多くのライダーから注目を集めていました。
このホイールは、リムとスポークの適度なしなりを持ち、サスペンションの動きを補完する特性がありました。
しかし、実際にはリムの振れや強度に関する問題が指摘され、特にNS250モデルではその傾向が顕著でした。
ホンダは、コムスターホイールが溶接に匹敵する強度を持つと主張していましたが、実際には剛性が低いとの意見もありました。
また、製造過程での品質管理やリコールの問題もあったようです。
コムスターが採用された背景には、海外市場向けのキャストホイールが日本で受け入れられなかったことも影響しており、ホンダは「これはスポークホイールだ」として市場に投入しました。
全体として、コムスターホイールはその革新性が評価されつつも、実際の性能には課題があったことが多くのコメントから伺えました。
ネットコメントを一部抜粋
コムスターホイールはキャストホイールとスポークホイールのいいとこどりだと思った。
コムスターは転倒や多走行車両でリムの振れが発生してた。
ホイールの剛性を任意に調整できるのも大きな特徴っていうと最適な剛性があるってこと?
コムスターで印象深いのはMB50。
コムスターはフレディ・スペンサーが南アフリカグランプリの予選でクラッシュ、ホイールが大破してから採用されなくなりました。