ドイツでショルツ連立政権が崩壊し、前倒しの総選挙が2024年2月23日に実施される見込み。保守野党CDUが優勢で、トランプ次期政権の影響も懸念される。
この決定は、大統領府からの発表に基づいており、主に来年1月に発足するトランプ次期米政権の影響を考慮したものです。
世論調査によると、中道右派のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)が首位に立っており、政権交代の可能性が高まっています。
連立政権は今月6日に予算案を巡る対立から崩壊し、ショルツ首相はもともと来年3月に総選挙を予定していましたが、CDUのメルツ党首が「国際政治や経済状況を考慮すべきだ」として早期実施を求めたことが背景にあります。
大統領報道官によると、ショルツ氏の中道左派の社会民主党(SPD)やCDUなどの与野党代表は、12月16日に連邦議会で首相の信任投票を行うことで合意しました。
不信任となった場合、大統領は速やかに連邦議会を解散し、2月23日の総選挙が現実的になると見られています。
ショルツ政権は連立崩壊により少数内閣となっており、不信任の成立はほぼ確実とされています。
ドイツでは、トランプ政権が発足すれば安全保障や経済面で逆風が予想されており、長期化する政局混迷に対する懸念が強まっています。
世論調査では65%が「できるだけ早期に総選挙を実施すべきだ」と回答しています。
バイデン大統領はドイツを重要な同盟国と位置付けていますが、トランプ氏は過去にドイツを批判し、米独関係が冷え込んだことが影響を及ぼす可能性があります。
通商面でもトランプ氏が関税を引き上げる公約を果たせば、貿易大国ドイツには深刻な打撃が予想され、経済低迷がさらに悪化する恐れがあります。
ショルツ政権は2021年にSPD、緑の党、自由民主党(FDP)の3党連立で発足しましたが、任期満了に伴う総選挙は当初来年9月に予定されていました。
なお、ドイツの国会解散の権限は首相ではなく、大統領にあります。
参考リンクhttps://news.yahoo.co.jp/articles/38110215b9f1630b6617e0de9f7306114052a40c