世界初のチャットボット「ELIZA」が60年ぶりに復活し、オープンソース化されてUNIX系OSで実行可能に。AIの歴史を再現する試みが注目されています。
このプロジェクトは「ELIZA Reanimated: The world’s first chatbot restored on the world’s first time sharing system」と名付けられ、MITの教授ジョセフ・ワイゼンバウム氏が1960年代初頭に開発したELIZAを現代に蘇らせる試みです。
ELIZAは、当初IBM 7094コンピュータ上で動作し、MAD-SLIPというプログラミング言語で書かれていました。
2021年、MITのアーカイブから、オリジナルのELIZAのコードやDOCTORスクリプトが発見され、研究チームはこの古いプログラムを復元するための挑戦を始めました。
復元作業では、当時のコンピュータをエミュレートし、CTSSというオペレーティングシステムを動作させる環境を整える必要がありました。
また、古いプログラムの解読には多くの困難が伴い、手作業での入力や欠落した関数の実装、コード内のミスの修正などが求められました。
2024年12月21日、ついにELIZAは再び会話を開始することに成功し、1966年の論文で紹介された会話をほぼ完全に再現しました。
さらに、発見されたコードには「教師モード」という新しい機能も含まれており、ユーザーがELIZAに新しい応答パターンを教えることができるようになっています。
このプログラムはオープンソース化されており、LinuxやmacOSなどのUNIX系OSユーザーは、世界初の時分割システム上でELIZAを実行できるようになっています。
こうした取り組みは、AIの歴史を振り返る貴重な機会を提供しています。
参考リンクhttps://news.yahoo.co.jp/articles/918011385c957db10617e8282ad228baa8b7c22e