Linux 6.13がリリースされ、遅延プリエンプションやハードウェアサポートの改善が行われました。特に古いAppleデバイスへのサポートが追加され、ARM上での仮想マシン実行も可能になりました。
このバージョンはメジャーリリースではありませんが、パフォーマンスやセキュリティ、ハードウェアサポートにおいて重要なアップデートが含まれています。
特に注目すべきは、遅延プリエンプション(lazy preemption)のサポートが追加されたことです。
この新しいモデルにより、カーネルのプリエンプションロジックが簡素化され、システム全体の応答性が向上する可能性があります。
遅延プリエンプションは、カーネルのスケジューリングを効率化し、全体的なパフォーマンスを改善することを目的としています。
これにより、特定のイベントに迅速に応答するか、長時間実行されているジョブに時間を与えるかを判断する手法が増えました。
新たに導入されたフラグ「TIF_NEED_RESCHED_LAZY」によって、再スケジューリングの必要性がカーネルに伝えられ、コードのクリーンさと長時間のジョブのスループットが向上します。
さらに、LLVM Clangコンパイラーの「AutoFDO」と「Propeller」最適化もサポートされ、開発者はコードビルドの効率を実感できるでしょう。
ハードウェア互換性も向上し、特にAMDの「Ryzen X3D」プロセッサーや「AMD EPYC 9005」サーバープロセッサー、Intelの「Xe3」グラフィックスなどが新たにサポートされます。
また、古いAppleデバイスのサポートも改善され、iPhoneやiPadの古いモデルでもLinuxを実行できる基盤が整いました。
ただし、このサポートは最低限のものであり、一般ユーザー向けではなく、Appleデバイス愛好者を対象としています。
最後に、ARM Confidential Compute Architecture上での仮想マシン実行が可能になり、機密コンピューティングのセキュリティを求めるユーザーにとって重要な意味を持つアップデートとなっています。
参考リンクhttps://news.yahoo.co.jp/articles/689a1fc3d67009b9fea72372ee1481061b1e8c0a