マツダの初量産EV「MX-30 EV」が販売不振により生産終了。今後は新型EVに知見を活かす方針。
このモデルは、マツダが独自に開発した唯一のバッテリーEVであり、広島市南区の宇品第1工場で他の車種と混流生産されていました。
MX-30は、2019年10月に東京モーターショーで初めて公開され、2020年5月から量産が開始されました。
欧州では同年秋に導入され、日本国内では2021年1月に発売されました。
国内販売目標は年500台に設定されていましたが、実際の販売台数は年々減少しています。
特に、2021年には194台、2022年には48台、2023年には19台、2024年には12台と、厳しい状況が続いています。
さらに、2025年の1月には0台、2月には3台と、販売は低迷しています。
初期に導入された欧州や米国では既に販売を終了しており、日本国内でも受注仕様が限定されていました。
MX-30は、ガソリン車と同等の操縦安定性を追求し、観音開きドアや再生素材の内装材を採用するなど、将来のクルマづくりに向けた意欲的な試みが見られました。
しかし、搭載されている電池の容量が35.5キロワット時に抑えられているため、航続距離は256キロメートル(WLTCモード)と短く、日常生活での利用に制約がありました。
2023年6月には、ロータリーエンジンを発電機として使用する航続距離延長型のプラグインハイブリッド車(PHV)モデルの生産が開始されましたが、EVの生産終了後もPHVとマイルドハイブリッドシステムを搭載したエンジン車は継続して生産される予定です。
マツダは、MX-30で得た知見を2027年に投入予定の新型EVに引き継ぎ、今後の電動車時代に向けた戦略を模索しています。
参考リンクhttps://news.yahoo.co.jp/articles/8c2051c4e13ec490ab8d7e138158f7e776d215dc
マツダの初の量産EV「MX-30 EV」が生産終了となった背景には、販売台数目標が月間40台と非常に控えめであったことが挙げられます。
これは、最初から本格的に販売を狙っていなかったことを示しており、実験的な意味合いが強かったようです。
MX-30は、マツダの技術開発において重要な役割を果たしたと評価されているものの、デザインや価格設定、航続距離といった面での不満が多く寄せられていました。
特に、デザインが好まれなかったことや、価格が高すぎたことが販売低迷の要因として指摘されています。
さらに、充電インフラの整備が不十分であることも、ユーザーの購買意欲を削いだ要因の一つと考えられます。
マツダは今後、蓄積した技術をどのように活かしていくのかが重要な課題となるでしょう。
また、MX-30の生産終了は、マツダのEV戦略全体に対する見直しを促す契機ともなりそうです。