ニュージーランドのダニーデンで、余剰パンを使ったスピリッツ造りが始まり、食品ロス削減に貢献している。女性二人が発案し、環境に配慮した製造過程が評価されている。
彼女たちは、廃棄されるパンを食用に適さないものとしてスーパーやパン屋から集め、これを原料にして5種類のスピリッツを醸造する。
この取り組みは、食品ロスの削減を目指しており、ニュージーランド全体で年間約3000トンのパンが廃棄される中、ダニーデンでも76トンが捨てられている現状を受けて始まった。
彼女たちが設立したダニーデン・クラフト・ディスティラーズ(DCD)は、社会的、経済的、環境的に持続可能な地元密着型の蒸留所を目指しており、廃棄物を減らすために余剰パンを利用している。
DCDでは、アイシング付きのパンやドライフルーツ入りのスコーンなども材料として使用し、発酵、蒸留、ろ過を経てスピリッツを作り上げる。
これにより、約4斤のパンから1リットルのスピリッツが生産される。
DCDは「ロンドン・スピリッツ・コンペティション2023」で金賞1つと銀賞2つを受賞し、革新性と創造性が高く評価された。
さらに、DCDは環境への配慮も徹底しており、製造過程で使用する電力は100%再生可能エネルギーで賄われ、出た廃棄物は商業用堆肥として再利用される。
DCDは、誰もが環境保護に貢献できると信じており、一般の人々が参加できる「ブレッド・トゥ・ボトル・ツアー」を通じて啓発活動も行っている。
これによって、消費者はスピリッツを購入することで環境保護に寄与できる仕組みが整っている。
現在までにDCDが救出した余剰パンは1万850キログラムに達しており、今後もこの数字は増加する見込みである。
参考リンクhttps://news.yahoo.co.jp/articles/c46b81dedc466af4f2dbe6fb80d15e3d7db18fab