ブラジルは2025年からBRICSの議長国を務め、中国やロシアの影響を受けつつ、国際的なガバナンス改革を推進する方針を示しています。
BRICSはブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの5カ国に加え、2024年から新たにイラン、エジプト、アラブ首長国連邦、エチオピアが加盟し、合計9カ国となります。
これにより、世界人口の約40%と世界GDPの4分の1以上を占めることになり、その影響力は一層増すでしょう。
ルーラ大統領は、BRICSの首脳会議において「より包括的で持続可能なガバナンスのために、グローバル・サウス間の協力を強化する」という方針を発表しました。
この方針は、国連安保理や国際通貨基金(IMF)などの国際機関の改革を推進することを意図しており、ブラジルは自国の立場を生かし、より公正なガバナンスの実現を目指しています。
また、25年にはブラジルでCOP30が開催されるため、環境問題に関する重要な議論をリードする役割も果たすことが期待されています。
しかし、BRICSは特に中国とロシアの影響を受けて反西洋的な性格を強めており、中国は米国との経済競争を意識して人民元の国際的地位を確立しようとしています。
一方、ロシアはウクライナ戦争後の国際的孤立を脱却する手段としてBRICSを利用し、経済的・政治的支援を得るための外交的な道を模索しています。
ブラジル政府はBRICSがグローバル・サウスの利益を代表し、既存の国際秩序に対抗する役割を果たすべきだと強調し、ルーラ大統領はBRICSを「多極化を実現するための重要な枠組み」と位置付け、既存の国際経済機関の改革を進める必要があると主張しています。
参考リンクhttps://news.yahoo.co.jp/articles/7c2eaec4f5b4360f0cda5438e96428035be11909
ブラジルがBRICS議長国に就任したことに対し、コメント欄では様々な意見が寄せられました。
ルラ大統領については、現代ブラジルの国父とも言える存在として評価される一方で、外交感覚が優れているのか、単なる日和見主義なのかという議論がありました。
ブラジルの国際的な影響力が増していることが強調され、特に地球温暖化対策としてアマゾンの環境保全が重要視されていました。
また、アメリカの中南米諸国に対する影響力や、トランプ政権下でのアメリカ第一主義がもたらすリスクについても言及され、ブラジルがアメリカから離れたいという意見が見られました。
さらに、中国の人民元を基軸通貨にしようとする動きや、BRICS諸国の意図についても懸念が示され、中露の影響力が強まる中での国際関係の複雑さが浮き彫りになりました。
西側諸国の資本主義と中露の帝国主義の対立が、ブラジルにとってどのような意味を持つのか、今後の動向に注目が集まっていました。
ネットコメントを一部抜粋
ルラ(ルーラ?)氏は現代ブラジルの国父ともいえる存在だ。
ブラジルがなぜこういう方向に行ってしまったかというと、アメリカによる中南米諸国の半植民地化です。
反西欧的と言いながら過去の西欧の帝国主義、植民地主義に回帰しようとしている。
この戦いは、独裁国家と民主主義ではなく、帝国主義 VS 資本主義の戦いと思う。
中露の圧力に屈するな!