ドイツのショルツ連立政権が崩壊の危機にあり、来春の前倒し総選挙の可能性が浮上。経済低迷と与党間の対立が深まっている。
景気低迷が続く中、2025年の予算案を巡る与党間の亀裂が深まり、来春に総選挙が前倒しされる可能性が浮上している。
特に、米大統領選を控えたこの状況は、EU全体に不安をもたらしている。
連立政権の危機が顕在化したのは10月29日で、ショルツ首相が経済界の重鎮を集めた「産業サミット」を開催したが、連立第2党の緑の党や第3与党の自由民主党(FDP)の経済閣僚は招かれなかった。
このことが、両党との対立をさらに深める結果となった。
緑の党のハーベック経済・気候保護相は、独自の産業再生プランを発表し、FDPのリントナー財務相は企業経営者との独自集会を開くなど、連立内の温度差が浮き彫りになった。
特に、ドイツ経済の低迷とフォルクスワーゲン(VW)の不振が影響しており、SPDは雇用重視を打ち出して緑の党と距離を置く事態に。
リントナー氏は、連立政権が「今秋の決断」を迫られているとの見解を示し、連立離脱の可能性も指摘された。
メディアの報道によると、来年3月9日に総選挙が行われる可能性があり、これは議会任期満了に伴う通常の選挙よりも半年早いものだ。
現在、政権支持率は14%に低下し、54%が前倒し総選挙を支持している。
ドイツはEUの経済大国であり、その政局はEU全体の政治・経済に大きな影響を与えるため、この状況は注視されている。
参考リンクhttps://news.yahoo.co.jp/articles/504eeb86aac413659789434273fe14a023501053
ドイツ連立政権は、VWの経営不振や国内工場の閉鎖、賃金引き下げの検討が行われている中で、労働組合の強い反発を受けていたことが多くのコメントで触れられていました。
EU内での物価高の影響で、労働者にとってリストラや賃下げは深刻な問題であり、生活や命に直結する状況が懸念されていました。
労使の関係については、VW本体と労働組合の関係が「病人の体と増殖するがん細胞」に例えられるなど、厳しい見方が示されていました。
政治的には、AfDの存在が今後の政局に与える影響や、緑の党の支持基盤が揺らいでいることが注目されていました。
特に、緑の党が環境保護やウクライナ支援に熱心であったにもかかわらず、戦争を嫌う層からの支持が減少しているとの指摘がありました。
また、VWの低迷がドイツの自動車産業や関連産業に与える影響も懸念されており、国内産業への支援が求められる声が上がっていました。
さらに、エネルギー問題や移民問題が絡む中で、AfDの存在感が増す可能性があり、フランスの右翼政党の躍進と同様の結果がドイツでも起こるかもしれないとの意見もありました。
ネットコメントを一部抜粋
VWの経営不振により国内工場の閉鎖や賃金引き下げを検討していることが明らかになった。
EU圏内での物凄い物価高が続くご時世に、労働者からすればリストラされたり賃下げされるのは生活に直結どころか、命に係る場合もあるだろう。
これまで若者を中心に票を集めて来た緑の党が外されてるのが注目点だった。
エネルギー高騰で苦しむドイツにとって、VWの揺らぎはドイツ及びEUの域内経済にかなり尾を引く重しになると思った。
どこも単独では過半数が無い連立政権なんだね。